まだ思い出だと知らない時間
更新日:5 日前
息子テオと過ごした、ラガール・ラ・プリミージャとボデガ・ロケーラ・カブリニャーナの一日
昨日、息子と私は、コルドバのまた別の一面に出会いました。
今回は、歴史的な建物でも、白い街並みでも、メスキータのアーチでもありません。
私たちは、コルドバの田園地帯にあるシエラ・デ・モンティーリャへ入り、昔ながらのワイン蔵と、この土地に深く根づくワイン造りの伝統に触れました。
訪ねたのは、ラガール・ラ・プリミージャ(Lagar La Primilla)と、ボデガ・ロケーラ・カブリニャーナ(Bodega Rockera Cabriñana)。
どちらも、長い歴史と人々の営み、そして数え切れないほどの記憶が息づく場所でした。
中へ足を踏み入れると、まるで別の時代への扉を開いたようでした。
大きな甕がいくつも並び、古い樽や熟成用のワイン樽には、以前ここを訪れた人たちが残した名前や日付、絵、メッセージが書かれていました。
一つひとつの樽には、ワインだけではない何かが入っているように見えました。
友情。
祝いの日。
約束。
そして、誰かの人生の一部。
ワインがどのようにつくられ、保たれているのかも学びました。そして、コルドバの大地と深く結びついた伝統を、今も大切に守り続けている人たちと出会いました。
大人たちは本場のコルドバワインを味わい、テオはその様子を見つめ、話に耳を傾けながら、日本で知っているものとは大きく異なる暮らし方に触れていました。
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伝統が、新しい言葉を見つけるとき
ボデガ・カブリニャーナで、とりわけ心を引かれたものがありました。
ボトルには一般的な商品名ではなく、ワインとフラメンコ、音楽、そして独特の感性が重なり合う名前がつけられていました。
「Tinaja Rock」「Pedro Ximénez Jazz」「Palo Cortado Indie」、そして「Bulería」「Tango」「Alegría」と名づけられた「Vermut Flamenco」シリーズ。
その発想を、私はとても身近に感じました。
なぜなら、それは私がこれまでずっと目指してきたことにも通じていたからです。
伝統を心から敬いながらも、新しい表現を探すことを恐れない。
文化は、展示ケースの中に閉じ込めておくだけでは生き続けません。
誰かがそれを受け取り、理解し、自分なりの形で次へつないだときにこそ、生きた文化として続いていくのだと思います。
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訪問を思い出に変えてくれる人たち
この一日は、私のきょうだいであるラフィの友人ペペと奥さま、ラファと奥さま、そしてラフィと夫のホセ・マヌエルのおかげで実現しました。
皆さんは、ただワイナリーを案内してくれただけではありませんでした。
たくさんの物語を聞かせ、自分たちの時間を分けてくれました。一緒に笑い、私たちをコルドバの飾らない素顔へと近づけてくれました。
皆さんのおかげで、朝から午後まで忘れられない時間になりました。
そして、私はあらためて気づきました。
その土地で本当に大切なのは、建物や産物、風景だけではありません。
そこに命を吹き込み、守り続けている人たちなのです。
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テオには、まだこの思い出の意味がわからないかもしれません
甕の間を歩き、樽を見つめる息子の姿を見ながら、私は思いました。
テオは今、自分が経験していることの意味を、まだ十分には感じていないかもしれません。
テオは17歳です。
彼にとっては、新しい場所を訪れ、説明を聞き、少し変わった名前のボトルを見て、温かい人たちに迎えられた、興味深い一日だったのかもしれません。
けれど私は、この記憶がいつか彼のもとへ戻ってくると信じています。
何年もたってから、再びコルドバを訪れるかもしれません。
家族に会うために、モンタルバンへ戻ることもあるでしょう。
またワイナリーに入り、古い甕を目にしたり、あの場所の匂いを感じたりするかもしれません。
そのとき、きっと思い出すのです。
「ここには、父と一緒に来たことがある」
生まれた瞬間から、その価値に気づける思い出もあります。
けれど、本当はどれほど大切な時間だったのかを教えてくれるまでに、何年もの時間を必要とする思い出もあります。
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親として残していく種
親として、20年後、30年後に、子どもたちの心にどんな光景が残っているのかはわかりません。
どんな会話や食事、どんな抱擁や風景が、ある日突然よみがえるのかもわかりません。
それでも、心の中にしまっておける体験を、私は子どもたちに手渡したいと思っています。
家族とのつながりを感じてほしい。
自分のルーツを知ってほしい。
一つひとつの伝統の後ろには、人々の努力や苦労、物語、そして人生の捉え方があることを知ってほしいのです。
昨日、テオが知ったのは、コルドバのワインだけではありません。
それを造る人たちと出会いました。
大地を大切にする生き方に触れました。
父である私の文化の一部を知りました。
そして、まだうまく言葉にはできなくても、すでに彼自身の物語の一部となった一日を、家族と一緒に過ごしました。
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私たちの宝箱に、また一つ
この旅は、今も私たちの宝箱を少しずつ満たしています。
昨日、そこに入れたのは、古い甕、メッセージで埋め尽くされた樽、コルドバの大地の味わい、たくさんの笑い声、そして本当の価値がまだこれから見えてくる一つの思い出でした。
私たちは、ときどき、ただ一つの場所を訪ねているだけだと思っています。
けれど気づかないうちに、子どもたちがいつか帰りたくなる場所をつくっているのかもしれません。
そして、いつかテオが戻ってきたとき、父と一緒にこの場所を歩いた日のことを、心のどこかで思い出してくれたらと願っています。
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心に残る言葉
文化は、誰かがそれを受け取り、理解し、自分なりの形で次へつないだときにこそ、生き続けます。
気づかないうちに私たちは、子どもたちがいつか帰りたくなる場所をつくっているのかもしれません。
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思い出への問いかけ
あなたにも、何年もたってから本当の大切さに気づいた場所がありますか。
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関連リンク
AlitaDePollo
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クレジット
文:AlitaDePollo
写真:ベニト・ガルシアの個人アーカイブ(使用許可あり)
訪問先:ラガール・ラ・プリミージャ、ボデガ・ロケーラ・カブリニャーナ(コルドバ、シエラ・デ・モンティーリャ)
登場する方々:テオ、ペペ、ラファと奥さま、ラフィ、ホセ・マヌエル
感謝:ペペと奥さま、ラファと奥さま、ラフィ、ホセ・マヌエル、そしてこの一日を共に過ごした皆さん

私も、もう一度 自分の ものがたりを ふりかえって みようと思います🙏♥️