険しい道、かけがえのない思い出
更新日:4 日前
今朝、コルドバのバルのテラスで、コーヒーとオリーブオイル、トマトをのせたトーストを食べていました。
日本で暮らしてきた長い年月のなかで、何度も懐かしく思ってきた、ごく普通のコルドバの朝です。
朝食をとっていると、おばあさんたちが孫と一緒に歩いている姿が目に入りました。とても日常的で、当たり前の光景です。けれど、そばにあるときには、その時間がどれほど大切なものか、気づかないこともあるのだと思います。
そのとき、テオとソニアのことを考えました。
自分を厳しく責めたいわけでも、誰かを責めたいわけでもありません。ただ、二人にも、こういう時間をもっと過ごさせてあげたかったと思うのです。
祖父母と散歩をすること。昔の話を聞くこと。いとこと遊ぶこと。叔父、叔母、祖父母に囲まれた、にぎやかな家族の空気のなかで育つこと。
二人はスペインの家族から離れた日本で育ちました。長いあいだ、日常の家族は、母親と私が中心でした。
こうしてコルドバで何気ない光景を見ると、距離があったからこそ一緒に過ごせなかった時間について、少し寂しく感じることがあります。
子ども時代のすべてを、今から取り戻すことはできません。
でも、この旅は決して遅すぎたわけではないのだと思います。
過去を変えることはできなくても、これからの時間を大切にすることはできます。
— ◆ —
朝食のあと、テオと妹と一緒にコルドバのメスキータ大聖堂を訪れました。
そしてその散歩は、朝に抱いていた思いに、静かに答えてくれたような気がします。
テオは小さな子どもの頃、祖父母の手を引かれてコルドバを歩くことはできなかったかもしれません。
でも、今ここにいます。
17歳になった彼が、自分の目で、自分の感性で、父の故郷を知ろうとしていました。
正直に言うと、妹も私も、年齢的にメスキータにはそれほど興味を持たないのではないかと思っていました。さっと見て、少し写真を撮って、次の場所へ進むのだろうと。
でも、まったく違いました。
中に入ると、テオは一つひとつの空間をとても熱心に見ていました。アーチ、柱、光、広がり、細かな装飾。そのすべてを、深い好奇心と敬意をもって見つめていました。
ただ一緒について来ていたのではありません。
自分が見ているものを、理解しようとしていました。
大人はときどき、若い人が何に興味を持つかを早く決めつけてしまいます。17歳ならゲームやスポーツ、海や楽しい遊びだけを好むのだろう、と考えてしまうことがあります。
でも、その日、息子はまた一つ大切なことを教えてくれました。
17歳でも、美しいものに心を動かされることがある。
若くても、歴史に敬意を感じることができる。
そして、その歴史のすべてを理解しきれなくても、文化の声に耳を傾けることができる。
メスキータのアーチのあいだを歩くテオを見ながら、私は思いました。
彼は、ただコルドバを代表する場所を訪れているのではない。
父の故郷の一部を知ろうとしている。
そして、自分自身の一部にも出会おうとしているのだと。
— ◆ —
16歳のとき、私は一つのスーツケースと、プロのフラメンコ舞踊家として道を切り開くという夢を持って、一人でコルドバを出ました。
その道は、仕事も、人生も、家族も与えてくれました。
同時に、距離や不在、そして子どもたちがスペインで過ごせなかった家族の時間も生みました。
困難な道には、いつも何かしらの代償があります。
それでも、メスキータのなかにいる息子を見て、そんな道が、かけがえのない思い出へつながることもあるのだと感じました。
テオとソニアに、スペインで過ごせなかった子ども時代を返すことはできません。
でも今から、家族、コルドバ、私たちの物語、そして二人にも受け継がれているルーツへ、少しずつ近づけていくことはできます。
この旅は、ただ場所を見せるためのものではありません。
扉を開くための旅です。
遠くで育ったとしても、自分たちもこの土地につながっているのだと、子どもたちが感じられるようにするための旅です。
— ◆ —
今日、私たちはまた一つ、小さな宝物を思い出の箱にしまいました。
コーヒーとトーストの朝。
少し寂しい気持ち。
赤と白のアーチ。
そして、立ち止まり、見つめ、耳を傾けた17歳の少年のまなざし。
困難な道には、疲れや迷い、そして傷も残ります。
けれど、本当に大切な思い出は、そんな道の先に生まれるのかもしれません。
険しい道。かけがえのない思い出。
そして、テオとソニアと分かち合える時間は、まだたくさん残っています。
「過去を取り戻すことはできなくても、今を家族とルーツ、そして大切な思い出で満たすことはできる。」
— ◆ —
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AlitaDePollo

過去は過去…5分前のことも元には戻せない…でも韓国にはこんなことわざあります『もう遅い…と思った時が1番早い』
これからいくらでもテオ君とソニアちゃんとコルドバの距離を縮めることはできますよ(笑)先生にとってもテオ君にとってもコルドバにいるファミリアにとっても今回の旅行は素晴らしい想い出になりますね(笑)
テオくんは じぶんの ものがたりを つくり、かたる 第一歩を 歩きはじめたんですね🙏❤️💓💞
どれもかがやいて、素敵な笑顔の家族の写真✨❤️
テオくんの誇らしい表情と旅と家族の絆を満喫しているのが伝わって、ジーンとします😭❤️🙏
Qué familia tan maravillosa!😍