私が、ここでフラメンコを伝え続ける理由
更新日:10月5日
BG Flamencoのこれからと、私が大切にしていること。
先日、BG Flamenco Academyの買収の可能性について、お話をいただきました。
私は、まずきちんとお話を伺いました。どのような形になるのか、教室の成長にどんな可能性があるのか、そして私の役割がどう変わるのか。知らないまま判断するのではなく、一つの選択肢として理解したいと思ったからです。
けれど、具体的な売却価格を交渉する前に、自分の気持ちがはっきりしました。
私は、このアカデミーを売却する方向には進みたくない。
その気持ちを、相手の方にもお伝えしました。
このことを書くのは、褒めていただきたいからではありません。今回のお話を通して、長い年月を経た今も、なぜ私がここで教え続けているのかを、あらためて言葉にしたくなったからです。
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お金は必要です。でも、それだけが理由ではありません。
教室を運営するには、月謝やレッスンの仕組みを考え、経費を払い、時には難しい判断もしなければなりません。講師の仕事には正当な報酬が必要ですし、スタジオを維持する費用もかかります。私自身も、この仕事で生活しています。
お金は大切ではない、と言うつもりはありません。
ただ、教室を経済的に成り立たせることと、お金のためだけに教室を続けることは、同じではありません。
料金や講座、申し込みについてお知らせする私の姿を見て、それが一番の目的だと感じた方もいらっしゃるかもしれません。誰かを責めたり、考えを変えるよう求めたりしたいわけではありません。ただ、料金表には表れない部分も、少し知っていただけたらと思います。私が今も、教えることを選んでいる理由です。
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一緒に積み重ねてきたもの
私たちは20年以上にわたり、公演を創り、振付を考え、稽古を重ね、舞台を共にしてきました。フラメンコの魅力を日本のより多くの方に届けたいという思いで、時間も力も資金も注いできました。
でも、BGの歴史は、大きな舞台だけでできているわけではありません。
毎週のレッスンも、その大切な一部です。同じ動きを繰り返しながら理解を深めること。カンテに耳を澄ませること。振付を覚えるだけでなく、自分自身の感じ方や表現を探していくこと。
YouTubeの動画やオンラインレッスン、学習のための教材も、その延長にあります。スタジオを離れている時間にも、学びを続けられるようにしたい。運営に新しい技術やAIを取り入れるのも、教えること、創ること、そして一人ひとりに向き合うことを、より大切にするためです。AIに芸術的な判断や人との関係を委ねるのではなく、私自身の確認と責任のもとで、教育と運営を支える道具として使っています。
生きたフラメンコを通して、アンダルシアと日本をつなぐ。その思いは、今も変わっていません。
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数字だけでは表せないつながり
生徒の皆さんと、共に教える8名を超える講師の仲間たちは、私にとって家族のような存在です。
それは、全員が同じ考えでなければならないという意味でも、ずっとここにいなければならないという意味でもありません。一人ひとりに、自分の生活と選択、自分の道があります。だからこそ、その中で育ってきた信頼を大切にしたいのです。
このアカデミーは、私一人で築いたものではありません。講師たちは、知識や感性、日々の努力を注いでくれました。生徒の皆さんは、時間をつくり、練習を重ね、学びたいという気持ちを持って通ってくださいました。今のBGがあるのは、皆さんの積み重ねがあるからです。
『生徒や講師は売り物ではない』という私の言葉は、そのつながりへの思いを表しています。誰かが私の所有物だということでは、もちろんありません。この信頼関係を、これからも自分自身で大切に育てていきたい。その責任を、私は手放したくないのです。
私の指導や言葉を必要としてくださる生徒さんが、まだいらっしゃると感じています。伝えたいこと、一緒に考えたいこと、共に見つけていきたい表現が、まだたくさんあります。その信頼に、これからも応えていきたいと思っています。
ただし、この決断によって、皆さんに何かを返していただきたいわけではありません。感謝や特別な言葉を求めているのでもありません。ここで続けると決めたのは、私自身です。
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もっと高い金額を求めているのではありません
今回のお話を辞退したのは、より高い金額を待つためではありません。また、会社を売却する方が、その仕事や仲間を大切にしていないとも思いません。それぞれに事情があり、大切なものを守る方法も違います。
私は自分の気持ちを見つめ直し、これからもBG Flamencoの進む方向に責任を持ちたいと思いました。教え、創り、私たちが大切にしているフラメンコのあり方を、自分たちで育てていきたいのです。
日本のもっと多くの場所へフラメンコを届けたいという夢も、変わっていません。成長を諦めたのではありません。私たちにとって大切なものを守りながら、育っていきたいと思っています。
続けることは、すべてを一人で背負ったり、休まず働いたりすることではありません。仲間の力を借り、運営を整え、自分の心身も大切にしながら、長く良い指導を続けていきたいです。
今、私の選択ははっきりしています。
私はフラメンコを愛し、それを伝えるために、ここにいます。そして、私の指導を信頼してくださる方々と、これからも学びを共にしたいと思っています。
この決断に、拍手は必要ありません。私にとって、レッスンに戻り、音楽を聴き、皆さんと学び続けることがどんな意味を持つのか。その思いが、少しでも伝われば嬉しいです。
BENITO GARCÍA
画像:BG PHOTO(AI生成)

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