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BG Flamencoの動画から学ぶ10の大切なこと(第1回)

9月18日
読了時間: 9分

更新日:10月5日


この記事について

この記事は、ベニート・ガルシアがYouTubeチャンネル「BG Flamenco」で教えてきたレッスンやライブ配信をもとに作りました。いくつかの動画をもう一度見ながら、踊るときに役立つことを10の話に分けて紹介します。

動画で話していることを、そのまま全部書き写したものではありません。初めて読む方にも分かるように、意味をやさしく説明し、練習のしかたや気をつけたいことも加えています。

むずかしい言葉はできるだけ使わず、必要なフラメンコ用語はその場で説明しています。全部を一度に覚える必要はありません。気になる話を一つ選び、ゆっくり読んでから試してみてください。この記事に使った動画は、最後の「参考動画」から見られます。

10の話に共通していること

この10の話は、すべてつながっています。まず音をよく聞きます。次に、歌が終わるのを待ちます。それから体を整え、伝えたい気持ちを動きにのせます。振り付けを覚えるだけでなく、音楽といっしょに踊ることが大切です。ここからは、それぞれの意味、大切な理由、今できる練習を順番に説明します。

1. コンパスは、みんなで同じ流れを感じることです

コンパスとは、フラメンコのリズムの流れです。数を正しく数えるだけではありません。歌、ギター、手拍子、踊りが、同じ流れの中でいっしょに進むための土台です。まず音を聞き、強く感じる所と、少し待つ所を見つけます。そのあとで動くと、踊りが音楽の中に自然に入ります。

音が少ない所を、たくさんの足でうめる必要はありません。急いで動くと、歌の大切な間を消してしまいます。動かずに待っている時も、リズムの流れを感じていれば、踊りは止まっていません。

まず一つのコンパスを、動かずに聞いてください。次は、左右にゆっくり体重を移します。そのあとで、小さなマルカヘを加えます。マルカヘとは、歌に合わせて行う基本の動きです。自分を撮り、音より先に動いていないか見てみましょう。急いでいる時は、動きを半分に減らし、息をしながらもう一度試します。

— ◆ —

2. ブレリアは、動きの名前よりも役目を知ることが大切です

ブレリアは、フラメンコの曲の一つです。踊りの中では、サリーダ、マルカヘ、レマーテ、ジャマーダという言葉を使います。サリーダは始まり、マルカヘは歌に合わせる動き、レマーテは終わりを見せる動き、ジャマーダは次へ進む合図です。長さや順番は、歌やその場の流れによって変わります。

順番だけを覚えると、歌が長くなった時に迷います。「今の動きは何のためにあるのか」が分かれば、歌を聞きながら待ったり、次の動きへ進んだりできます。決められた動きを見せるだけでなく、音楽に答える踊りになります。

同じジャマーダを、短い歌のあとと、長い歌のあとで試してください。歌が終わるのを聞いてから入ります。回数だけで次へ進まないことが大切です。分からなくなった時は、小さなマルカヘに戻ります。リズムを保ちながら、次の合図を待ちましょう。

— ◆ —

3. 「コロカテ」は、すぐに踊れる体を作る言葉です

スペイン語の「colócate(コロカテ)」は、ただ背中をまっすぐにすることではありません。足の裏で床を感じ、ひざを固めず、上半身の力をぬきます。そして、目線と呼吸を整えます。次の動きへすぐに進める体を作る、という意味です。

体が整うと、小さな一歩でもはっきり見えます。反対に、力を入れすぎると、大きく動いても不安そうに見えます。鏡の前に立ち、左右の足に同じくらい体重をのせてください。息をはき、肩の力をぬき、前を見ます。そのまま四つ数えたあと、腕を動かさずに体重だけを左右へ移します。

よくある間違いは、胸をそらすこと、ひざを強く伸ばすこと、首に力を入れることです。かっこいい形を先に作るのではなく、床から頭まで体の中心が通っている感じをさがします。苦しくなく、すぐに動ける所が目安です。

— ◆ —

4. 「コン・サレロ」は、自然な味わいを出すことです

「con salero(コン・サレロ)」は、自然な魅力や味わいをもって踊る、という意味です。動きを増やしたり、大きな顔の表情を作ったりすることではありません。かんたんな一歩でも、だれに、どの方向へ、どんな気持ちで見せるかが分かると、動きに味が生まれます。

同じマルカヘを三回踊ってみましょう。一回目は「ようこそ」、二回目は少し相手をからかう気持ち、三回目は静かに見守る気持ちです。歩く数は変えません。目線、間の取り方、体重の置き方だけを変えます。三つのちがいが見えれば、気持ちが動きに表れています。

よくある間違いは、大げさにすればサレロが出ると思うことです。そんな時は、余分な動きを一つやめます。息を続け、自分が本当に感じられる表情に戻してください。自然に続けられることが大切です。

— ◆ —

5. ハレオは、よい時に短く声をかけます

ハレオとは、「オレ」などの声で、歌う人、演奏する人、踊る人を応援することです。知っている言葉をたくさん言う必要はありません。歌の終わりや、動きがきれいに決まった時を聞き、流れをこわさない所で短く声をかけます。

手拍子を続けながら、一つの言葉だけを、一つのコンパスに一回入れてみましょう。言ったあとは、少し静かにして音を聞きます。録音して、声を出した時に手拍子が乱れていないか確かめてください。好きな舞台の動画を見て、どの時に声が入るかを見るのもよい練習です。

緊張すると、すき間をうめるように声を出し続けてしまうことがあります。まず一言だけ言い、そのあとに音楽を聞きます。よいハレオは、自分を目立たせるためではありません。相手のよい瞬間を、いっしょに喜ぶための声です。

— ◆ —

6. 歌の景色を知ると、動きに意味が生まれます

フラメンコの歌には、町、仕事、旅、鐘、恋、別れなど、いろいろな景色が出てきます。たとえば、コルドバの銀細工の職人や、旅をする人、教会の鐘などです。歌の景色が分かると、ただ「悲しい」「明るい」と考えるだけでなく、だれが、どこで、何を見ているのかを思いうかべられます。

踊る前に歌の言葉を読み、分からない言葉を調べます。そして、「話しているのはだれか」「一番強い気持ちは何か」「どんな景色が見えるか」を一つずつ書きます。その景色が目の前にあると思って、一つのマルカヘを踊ってください。手の形を増やさなくても、目線や間に意味が生まれます。

どの歌でも同じ顔で踊ると、歌とのつながりが弱くなります。そんな時は、むりに強い気持ちを作らず、歌の中の一つの言葉や景色に戻ります。意味がよく分からない時は、決めつけません。先生や、信頼できる本や資料で確かめましょう。

— ◆ —

7. アレグリアスは、音の変わり目を聞くと迷いにくくなります

アレグリアスは、明るい感じをもつフラメンコの曲です。踊りの中には、歌の部分(レトラ)、ギターをよく聞く部分(ファルセータ)、だんだん速くなる部分(スビーダ)、静かになる部分(シレンシオ)などがあります。毎回、同じ長さになるとはかぎりません。

部分の名前を覚えるだけでなく、音がどのように変わるかを聞きます。歌の時は、歌をじゃましない動きをします。速くなる時は、少しずつ力が上がるのを感じます。静かな部分では、体の使い方や空気が変わります。短い形と長い形の両方を練習すると、長さが変わっても落ち着いて踊れます。

よくある間違いは、振り付けにかかる時間だけを覚えることです。歌う人が一つの言葉を長くすると、いつもの時間と合わなくなります。そんな時は、急いで次へ行きません。今いる部分を続け、歌やギターから次の合図が聞こえるまで待ちます。

— ◆ —

8. 分かりやすい質問が、自分の学びを助けます

レッスンは、先生だけが作るものではありません。生徒が困っている所をくわしく話すと、先生は原因を見つけやすくなります。「全部分かりません」よりも、「二つ目のレマーテに入る所が分かりません」「右足に体重をのせると、右の肩が上がります」と言う方が伝わります。

練習のあとに、三つだけ書いてください。「どこで困ったか」「体はどうなったか」「どんな感じがしたか」です。次のレッスンで、一つだけ質問します。答えを聞いたら、その場で小さく動いて試します。聞くだけで終わらず、体で確かめることが大切です。

フラメンコの正しい言葉を知らなくても大丈夫です。右か左か、音の前かあとか、速いか遅いか、痛みがあるかなど、見たり感じたりできることを一つ加えれば伝わります。質問を小さくすると、直す所も見つけやすくなります。

— ◆ —

9. できないことがある日は、練習のやり方を変えます

家で大きな足音を出せない日もあります。部屋がせまい日や、扇やマントンを大きく広げられない日もあります。それでも、練習を全部やめる必要はありません。足音の代わりに、上半身、腕、目線、呼吸を練習できます。せまい場所では、大きく歩かずに、体の中心と体重の動きを確かめます。

最初に、今日の目的を一つ決めます。リズムの練習なら、小さな手拍子と体重の移動をします。表し方の練習なら、歌の景色を一つ選び、目線を決めます。道具の練習なら、持ち方と安全な動かし方だけを試します。動きを小さくしても、学ぶことは続けられます。

いつものレッスンと同じ大きさや強さで動こうとすると、物に当たったり、体に力が入ったりします。床、まわりの広さ、くつ、体の調子を見てください。痛い動きはやめます。練習をその日に合わせて変えることは、あきらめることではありません。長く続けるための大切な力です。

— ◆ —

10. 上手になるには、続けることと休むことの両方が必要です

今までの経験だけで、これから上手になれるかどうかは決まりません。自分の体に合う目標を決め、続けられる長さで練習することが大切です。一度に長く練習して何日も休むより、短い練習をむりなく続ける方が、体は覚えやすくなります。

「もっと上手になる」ではなく、見て分かる目標を作ります。たとえば、「今週は音を聞いてからジャマーダを始める」「二週間で最初の歌の変わり目を説明できる」などです。練習のあとに、どのくらい疲れたかを書きます。次の日まで強い疲れが残る時は、時間や回数を減らしてください。

疲れていても続けることだけが、がんばることではありません。休むこと、よく眠ること、ゆっくり見直すことも、上手になるために必要です。痛みや体の不調が続く時は、むりに踊らず、必要に応じて体の専門家に相談してください。

20分でできる、やさしい練習

  1. 最初の4分:曲を一度聞きます。足は動かさず、リズムと歌の終わりを聞きます。

  2. 次の4分:小さな手拍子か、左右への体重の移動でリズムを感じます。息が止まっていないか確かめます。

  3. 次の4分:今日のテーマを一つだけ選びます。いつもの半分くらいの大きさで、ゆっくりくり返します。

  4. 次の4分:歌の景色、目線、ハレオの中から一つだけ加えます。たくさん加えないことが大切です。

  5. 最後の4分:一度だけ動画を撮ります。「できたこと」「急いだ所」「次に直すこと」を一つずつ書きます。

おわりに

この10の話に共通しているのは、動きを増やす前に、音を聞き、体を整え、何のために動くのかを知ることです。リズム、歌、姿勢、気持ちの表し方、質問、家での練習、休むことは、すべてつながっています。まず一つだけ選び、短く試してください。そして、できたことと、次に直したいことを一つずつ見つけましょう。

参考動画

下のリンクから、この記事に使った動画を見られます。動画を見ながら読み直すと、音や動きがもっと分かりやすくなります。

1件のコメント

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Takao
Takao
9月19日
•
Rosa Cardマスタークラス
5つ星のうち5と評価されています。

20分で できる やさしい れんしゅう、 私には むずかしそうですが、やってみようと思います🙏🙇

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